■ 政策がカタチに!


■ 南多摩での予防接種相互乗入れ (27年4月)


 南多摩医療圏5市(八王子市、多摩市、日野市、町田市、稲城市)の子ども提起予防接種の相互乗り入れが27年4月、スタートしました。厚生員会の委員長時代に関わり、議会からも推進を訴えた課題が実現した格好です。

 従来、かかりつけの病院が八王子市外にあある場合、そこで予防接種を受けようとすると一時的に立て替え払いが必要になるケースもありました。1回8,000円から1万円もするワクチンが多く、やむなく市内の医療機関を探して予防接種だけ受けさせる保護者も多かったようですが、今回の相互乗り入れ実現により、高額な費用を一時的にでも保護者負担することがなくなりました。2種/3種/4種混合ワクチン、ヒブ、小児肺炎球菌ワクチン、麻疹・風疹、水痘など市外のかかりつけ医でそのまま接種することができます。

 厚生委員会の委員長時代(23年5月~25年6月)に多くの団体との意見交換会を実施しましたが、八王子医師会との懇談会を実施した際(25年1月15日開催、写真)に医師会側から問題提起され、それを委員会の調査事項として審議し(25年3月1日)、最終的に委員会の総意として市に早期対応を促した経緯があります。その後、八王子医師会の皆さん、本市担当者が他4市に積極的に働きかけ、このたびの大きな一歩を踏み出すことになったものです。

 なお、八王子市ホームページには相互乗り入れで予防接種を受けられる5市の医療機関の一覧も掲載されています。トップ>暮らしの情報>保健衛生・医療>予防接種のご案内>平成27年度 提起予防接種(http://www.city.hachioji.tokyo.jp/hoken_iryo/1077/048695.html)とお進みください。

 

 

 

■ 不燃物選別を障害者団体に委託( 27年4月)


戸吹清掃工場に不燃物処理センターが完成し、27年4月、障がい者団体への委託による小型家電などの手選別作業が始まりました。本市は市内で発生する不燃ゴミの再資源化を促進するため鉄、アルミ、陶磁器、ガラス、小型家電とすべてリサイクルする最新鋭の不燃物処理センター設置を計画しましたが、ごみ袋の中身は人の手による選別が必要になります。「手選別ライン」の作業の担い手として、ただ民間企業への外注を前提に考えるのではなく、障がい者団体を検討するよう議会で提案したところ(25年第4回定例会一般質問、25年12月4日登壇)、担当部署も積極的に動いてくれ、最終的に市内障がい者団体に作業委託することで契約調印となりました。年間委託金額は約5,000万円と聞いています。戸吹清掃工場では22年に開設したプラスチック資源化センターの運営も障がい者団体への委託できちんと行われており、こうした取り組み、もっともっと進めてまいります。

(写真左:不燃物処理センターの管制室、写真右:27年3月10日の見学時に拝見した手選別ラインのトライアル作業のもよう)

 

 

 

■ 小学校通学路への防犯カメラ設置 (27年3月)


八王子市の市立小学校通学路への防犯カメラ設置がスタートしました。平成26年6月議会の一般質問で提案したものが、3カ月後の9月議会で補正予算がつき、早々と具体化しました。26年度内に5校に各5台を設置することとなり、卒業式直前になってしまいましたが、3月初旬、防犯カメラが設置され、稼働開始となったものです。市教委は今後、27年度、28年度にそれぞれ32校に各5台を設置していく計画です。防犯カメラ設置により、犯罪抑止力が高まり、安心・安全の街づくりが大きく進むことを願ってやみません。

 

 

 

 

 

 

 

■ 南大沢事務所の取扱業務拡大 (27年3・4・5月)


 八王子市の出先機関、市南大沢事務所の取り扱い業務を拡充させることができました。

 27年春の業務内容改定として、①平日に子ども・高齢者・障害者福祉関係業務を追加②生活困窮者対策など各種相談体制を拡充--と拠点事務所並みに拡充します。さらに、同事務所は日曜開庁を実施していますが、日曜業務に住民異動・国保・子ども・高齢者福祉関係業務を追加することとなりました。

 拡大する業務ごとの実施時期は次の通りです。

●3月1日=子ども・高齢者福祉関係業務の拡充、住民異動・国保の日曜取扱開始

●4月1日=各種相談体制の拡充(準備が整い次第)

●5月1日=障害者福祉関係業務の取扱開始(平日)

 私はこれまで、南大沢駅前フレスコ(写真)内の南大沢事務所の機能拡大に取り組んできました(「政策がカタチに」の別掲参照)。26年2月の大雪の際、交通機関が麻痺した経験を踏まえ、ニュータウン地域の市民が本庁舎までいかなくとも済むよう、申請や相談など市民の需要があっても対応していなかった業務を速やかに追加する必要があると直後の総務企画委員会で訴え、それが形になって今回、大きな前進をみることになりました。

 

 

 

■ 市の防災・防犯フェイスブック (26年8月)


26年8月1日、八王子市の防災・防犯専門の公式フェイスブックページ(ツィッターも)が運用開始となりました。同年6月の総務企画委員会で補正予算を審査した際、大雨の直後でしたので、多くの市民がフェイスブックやツィッターに河川の水位情報など投稿していたことを引用し、市としても防災関係専用のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の専用サイトを作ってみては、と提案しました。担当者が速攻対応してくれ、防犯と合わせて2ヶ月弱で立ち上げてくれました。これまで運営されていた自治推進、観光など市の公式サイトに「防災・防犯」の専用サイトが加わり、市民にとっては緊急時における情報収集が便利になるだけでなく、情報提供も可能となるため、防災・減災、防犯に大きく貢献するものと期待されます。

 

 

 

■ 自主防災にスタンドパイプ提供 (26年度予算)


 市内自主防災組織に対するスタンドパイプの提供が実現しました。平成26年度予算で自主防災への資機材提供メニューに加えてもらうことができ、さらに世帯数の小さい小規模自主防災組織でも整備できるよう、スタンドパイプ・セット購入費の8万円まで予算額を引き上げてもらうこともできました。

 スタンドパイプ(写真左側の金色の太いパイプ)は、市内に約6,000カ所ある消火栓、それと消防ホースを接続し、初期消火活動に使う機材です。北区や世田谷区など、消防車が進入しづらい狭隘な道路に面した住宅街や商店街などで、消防車が到着するまでの初期消火用に数年前から導入事例が出ています。取り扱いにさほど力が要らず、年配の方でも扱えるのが大きな特徴です。

 市内のある大学の教授とお会いした際、首都直下地震の発生時、同時多発的に火災が起きることを想定して、初期消火用にスタンドパイプ整備に取り組んではどうだろうとご意見をいただきました。当時まだ、市はスタンドパイプを保有していませんでした。24年第2回定例会の一般質問で導入を提起して以来、東京都から市区町村への貸与制度の積極活用を求めたりしてきましたが、25年第2回定例会で自主防災組織への無償配布機材メニューに加えるよう具体的に提案したところ、26年度予算に正式計上されたものです。

 写真は25年5月21日、東京都水道局が元本郷浄水所で行ったスタンドパイプ操作のデモンストレーション時の模様です。東京都から八王子市の避難所(市内で合計135カ所)への配備用として、25年度に20セット貸与することが決まり、その関連で市関連部署の職員も参集して行ったデモでした。東京都貸与のセットに応急給水キットも入っていますが、市が自主防災に提供するのは当面、消火キットだけですので、今後は応急給水キットも追加してもらえるよう、働きかけていこうと考えています。

 なお、自主防災組織へのスタンドパイプ配備にあたっては、消防団の皆さんがインストラクターとなって操作方法を教えてくださることになっています。

 

自主防災組織への26年度分資機材配布が27年3月、行われました。スタンドパイプ・セットが配布メニューに加わり、何団体から申請されるのか、提案者として注目しておりましたが、最終的に28の自主防災団体から申請があり、片倉つどいの森公園の市防災倉庫から順次、引き渡しされていきました(写真右のようなセットで提供)。今回の配布資機材メニューには26年2月の雪害を踏まえ、ガソリンエンジンで動く小型除雪機も新たに加えられましたが、こちらは14団体からの申請にとどまったそうです。自主防災でスタンドパイプを操作できるようにするため、昨年から消防団員による研修が行われています。いざという時の初期消火活動に大きく貢献することが期待されます。

 

 

 

■ 議会基本条例の制定 (26年4月施行)


 「八王子市議会基本条例」の制定を推進しました(25年9月18日成立、26年4月1日施行)。

 わが会派から13年ぶりの議長となる市川潔史議長時代、検討着手となったものです。議長の声がけで各会派の選出議員で議論することになり、「議会基本条例等検討会」(22年5月~23年2月)、「議会基本条例素案準備会」(23年10月~25年1月)、「議会基本条例策定特別委員会(25年2月~同9月)と議論する場は3回変遷しましたが、いずれもメンバーとして延べ4年間テーブルにつき、条例制定論議、改革の必要性をねばり強くリードしてきた自負はあります。

 条例の目的は、市民の皆さんに信頼される議会をつくることであり、議員や議会の活動原則の他、一問一答方式の導入、議会報告会の開催など具体的な取り組みを明記しました。さらに、条例の趣旨がきちんと活かされているか条例の運営状況を検証する仕掛けについても、単に議員がやるのではなく、市民や有識者に入ってもらう形で第3者の目、即ち外部の目線を入れていくことも盛り込むことが出来ました(条例20条)。私が最も拘った部分です。

 条例制定に至るまで、議員間で歯に衣着せぬ、実に率直な議論を長く行ってきたわけですが、前に進むことができたのは、市民との意見交換会の開催(25年4月24日、学園都市センターで開催、140人来場。写真)、パブリックコメント募集、記者会見の実施など、本市議会として過去やったことのないことを実施したことが大きかったのではないかと思います。

 施行日を翌年4月としたのは、具体的な条例運用を議会運営委員会で十分議論する時間を設け、着実に条例に示した施策を実行していくためです。他の議会に反面教師のように表れている現象、つまり条例が出来たらおしまいという形骸的な議員立法ではなく、市民ニーズ、時代の要請に応じていくらでも進化していける、非常にフレキシビリティの高い条例となっていくよう、具体的な取り組みも着実に進めて参ります。

 この条例の施行後、初となった26年第2回定例会(6月議会)で、一問一答方式での一般質問を採用する議員が私も含め大勢あったほか、委員会での委員間討論も少ないながら事例も出てきました。地域における議会報告会は任期中1回にとどまりましたが、26年11月19日夜、クリエートホールで開催されました。

 八王子市議会は改革に向けて、小さくとも確かな一歩を踏み出しました。さらに充実した取り組みとなるかどうか、次の期にかかっているといっても過言ではないと思います。

 

 八王子市議会基本条例の条文は次のとおり。

 

目次

 前文

 第1章 総則(第1条-第3条)

 第2章 市民との関係(第4条・第5条)

 第3章 市長等との関係(第6条-第9条)

 第4章 議会の運営及び体制(第10条-第15条)

 第5章 議員の政治倫理、定数及び報酬(第16条-第18条)

 第6章 最高規範性及び見直し手続(第19条-第21条)

 附則

 

 

 

 八王子市は、市域の三方を高尾山・陣馬山をはじめとする山々や丘陵に囲まれ、多くの河川が市内を流れるなど、豊かな自然に恵まれた土地を有している。大正6年の市制施行以来、数回の市町村合併を経て、丘陵地、市街地、ニュータウンなど様々な生活圏が存在し、市民一人ひとりが多様な意見を持っている。

 地方分権時代を迎え、八王子市議会はこれまでも様々な議会改革に取り組んできたが、本市の特性である多様な民意を的確に市政に反映させるためには、より一層議論を通じて論点を明らかにし、市民に開かれた透明性の高い議会運営を行うことが求められている。

 議会が地方公共団体の最高意思決定機関であることを踏まえ、二元代表制の下での議会の役割は、市長その他の執行機関と緊張関係を保ち、事務の執行の監視を行うとともに、積極的な政策立案や提言を行うことで、市民福祉の増進及び市政の発展に寄与することである。

 今後さらに、地方公共団体の自主性・自立性が拡大されていく中で、地方自治の本旨に基づいた豊かな八王子市を実現するため、議会の果たすべき役割の重要性は増してきている。

 このような役割を果たすため、八王子市議会及び議員の活動原則、議会と市民との関係、議会と市長その他の執行機関との関係を明らかにし、市民の負託に真摯に応えることを改めて決意し、議会における最高規範として、ここに八王子市議会基本条例を制定する。

 

第1章 総則  

 (目的)

第1条 この条例は、二元代表制の下、合議制の意思決定機関である議会の果たすべき役割を明らかにするとともに、議会に関する基本的事項を定めることにより、議会が市民の負託に応え、もって市民福祉の増進及び市政の発展に寄与することを目的とする。

 (議会の活動原則)

第2条 議会は、合議制の意思決定機関としての議決責任を認識し、その役割を果たすために、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

 ⑴ 市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)の事務の執行について監視すること。

 ⑵ 市民の多様な意見を把握し、独自の政策立案及び政策提言に取り組むこと。

 ⑶ 積極的な情報公開を行い、市民に分かりやすく開かれた議会運営を目指すこと。

 ⑷ 市政の課題について、研修及び調査研究活動を行うこと。

 ⑸ 地方分権の進展に的確に対応し、継続的に議会改革を推進すること。

 (議員の活動原則)

第3条 議員は、市民の代表者であることを自覚し、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

 ⑴ 市政の課題について、市民の意見を的確に把握するように努めること。

 ⑵ 法令を遵守し、自らの資質の向上に努め、政策立案及び評価能力向上のため調査研究活動を行うこと。

 ⑶ 議会が言論の府であり、合議制の機関であることを認識し、議員相互の自由な討議を重んじ、積極的な発言を行うこと。

 ⑷ 市民福祉の増進を目指して活動すること。

第2章 市民との関係

 (市民参加及び意見の把握)

第4条 議会は、議会活動への市民参加の機会を広げ、市民の多様な意見を把握するため、必要に応じて次に掲げる手法を用いるものとする。

 ⑴ 議会の活動を市民へ報告し、意見を交換する機会を設けること。

 ⑵ 市民による政策提案として、請願等を審査すること。

 ⑶ パブリックコメント、アンケート調査等を実施すること。

 ⑷ 前3号に掲げるもののほか、議長が必要と認めたこと。

 (情報公開及び説明責任) 

第5条 議会は、市民に開かれた議会運営を目指し、議会活動に関する情報公開を徹底するとともに、市民に対する説明責任を十分に果たすため、次に掲げる事項に取り組むものとする。

 ⑴ 本会議並びに常任委員会、特別委員会及び議会運営委員会(以下「委員会」という。)を原則公開すること。

 ⑵ 議会が保有する文書等を原則公開すること。

 ⑶ 議会広報、ホームページ等、多様な手法を用いて広報活動の充実に努めること。

 ⑷ 前3号に掲げるもののほか、議長が必要と認めたこと。

 

第3章 市長等との関係

 (政策等の形成過程の説明要求)

第6条 議会は、市長等が提案する基本的な政策等に対し、必要に応じてその形成過程の説明を求めることができる。

2 市長等は、前項の説明の求めに対し、速やかに対応するよう努めるものとする。

 (質疑及び質問の方式)

第7条 本会議及び委員会における質疑及び質問は、一問一答方式をはじめとした多様な形式をとることができる。

 (議決事件の拡大)

第8条 議会の議決事件は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づき、別に条例で定めるもののほか、重要な計画等について、追加・拡大することができる。

 (定例会の会期及び回数)

第9条 議長は、必要な会期を議会運営委員会に諮り、本会議において決定するものとする。

2 議長は、市長による専決処分が最小限になるような議会運営に努めるものとする。

3 定例会の回数は、八王子市議会定例会の回数に関する条例(昭和31年八王子市条例第26号)に定めるところによる。

 

 

 

第4章 議会の運営及び体制

 (議会の運営)

第10条 議会は、合議制の意思決定機関として公平で自由な議論を尽くせるよう、適切な運営に努めなければならない。

 (委員会の運営)

第11条 委員会は、社会経済情勢等により新たに生じる行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会の専門性及び特性を活かすよう適切な運営に努めなければならない。

2 委員会は、論点・争点を明確にするため、委員長の裁量により委員間討議の機会を設けることができる。

3 委員会は、市民及び議員が自由に情報及び意見を交換する懇談会等を積極的に行うよう努めるものとする。

 (会派)

第12条 議員は、基本的政策・理念が一致する議員をもって構成し活動する団体(以下「会派」という。)を結成することができる。

2 会派は、政策立案等に資するための調査研究に努めるものとする。

3 議長は、必要があると認めるときは、円滑な議会運営のための協議・調整の場として会派の代表者からなる会議(「会派代表者会」という。)を開催することができる。

4 前3項に定めるもののほか、会派に関し必要な事項は別に定める。

 (政務活動費)

第13条 政務活動費は、議員の調査研究の充実を図り、議会の審議、政策立案等の機能を強化するために活用することができる。

2 政務活動費の交付に必要な事項については、八王子市議会政務活動費の交付に関する条例(平成13年八王子市条例第15号)に定めるところによる。

 (議会事務局の体制整備)

第14条 議会は、議員の調査研究及び政策立案能力の向上を図るため、議会事務局の調査等の機能の充実強化を図るよう努めるものとする。

 (議会図書室の充実)

第15条 議会は、議員の調査研究及び政策立案能力の向上を図るため、議会図書室の充実に努めるものとする。

 

第5章 議員の政治倫理、定数及び報酬

 (議員の政治倫理)

第16条 議員は、市民の代表者としてその倫理性を常に自覚して行動しなければならない。

2 議員は、八王子市政治倫理条例(平成21年八王子市条例第3号)に定める事項を規範とし、遵守しなければならない。

 (議員定数)

第17条 議員の定数は、八王子市議会議員定数条例(昭和37年八王子市条例第24号)に定めるところによる。

2 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点及び他市との比較だけでなく、市民の多様な意見の市政への反映、市長等の事務執行の監視機能に考慮し、市民の意見を聴取した上で決定するものとする。

 (議員報酬)

第18条 議員の報酬は、八王子市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(昭和31年八王子市条例第28号)に定めるところによる。

2 議員が提案する場合の議員報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点及び他市との比較だけでなく、市民の負託に応え得る議員活動に考慮し、市民の意見を聴取した上で決定するものとする。

 

 

 

第6章 最高規範性及び見直し手続

 (最高規範性)

第19条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、議会に関係する他の条例、規則、告示等(以下「議会関係条例等」という。)を制定し、又は改廃する場合は、この条例に反してはならない。

 (見直し手続)

第20条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを、市民や有識者等の意見を聴取した上で検証を行うものとする。

2 議会は、前項の検証の結果、この条例及び議会関係条例等の見直しが必要と認めた場合、適切な措置を講ずるものとする。

 (委任)

第21条 この条例の施行について必要な事項は、別に定める。

 

附 則

 この条例は、平成26年4月1日から施行する。

 

 

[付録 ]村松とおるHPの「活動レポート」(25年4月23日付)

 八王子市議会の議会基本条例策定特別委員会は、このほど策定した条例素案に対する市民意見を直接聞くため、東急スクウェア12階の学園都市センターで4月23日夜、「市民と議会の意見交換会」を開催しました。本市議会始まって以来の取り組みで、試行錯誤の面もありましたが、やって良かったと思っています。座席数216人という会場に約140人が来場しました。

 意見交換会では、前半で逐条解説を行い、休憩時間を設けて場内の質問票を回収、それを楽屋前廊下で14人の委員が仕分けを行い、担当を決めてお答えしました。私は議会事務局の独立性に関する質問に答えました。現在、4月15日~5月15日の期間でパブリックコメントを実施中ですが、会場でいただいた生の声もきっちり受け止め、条例案の策定に反映させていきたいと思います。

 司会が閉会の挨拶を終えると、自然に場内から拍手がわき起こり、これは参加された市民の方たちの期待を表わしたものであろうと感じました。また来場者の反応、表情をみて、4年がかりで取り組んできた条例制定に向けた取り組みも、ここでいよいよ最終の詰めに入ったことを実感した次第です。八王子市議会は市民に一層信頼される議会を目指し、改革に向けた大きな一歩を踏み出しました。

 

 

 

■ “八王子かるた”の再版 (24年12月)


 郷土愛の醸成に大きく貢献することは間違いないのに、長い間品切れが続いていた"八王子かるた”の再版を働きかけ、実現できました。郷土資料館は平成24年12月、八王子かるたを再版し、販売を開始したものです。同館のガイドボランティアが企画・制作し、16年の初版から増刷を含め3,000部も販売されていますが、2年前から品切れ状態のままで、ボランティアの方から再版に対する強い要望が寄せられていました。24年度予算審議の際に会派代表質疑で取りあげたところ、「郷土愛」を政治の原点に掲げて当選したばかりの石森市長から前向きな答弁があり、今回500部の再版が実現しました。すべてボランティアの皆さんの努力の賜です。八王子かるたが今後、郷土愛醸成に大きく貢献していくことを期待しています。

 なお“八王子かるた”(写真)は郷土資料館で購入できます(1セット700円)。

 

 

 

■ 障害者差別禁止条例の施行 (24年4月)


 八王子市の「障害者差別禁止条例」が平成24年(2012年)4月1日、施行されました。一般市では全国初となります。当事者の方たちの熱意に行政が揺り動かされ、八王子市が障がい者施策で全国模範の取り組みを結実させました。私も当事者の皆さんを議会からサポートしようと約2年間、月1度の当事者の勉強会に参加、差別実態を教えていただき、議会に条例制定を求める請願が出された際には(22年12月)、紹介議員を代表して趣旨説明を担わせて頂き、全会一致で採択することができました。それから1年後、担当部署が条例案を作成し、23年第4回定例会に上程した時、条例案を審議する厚生委員会の委員長という立場から議事進行を行うなど、様々な形で関わらせて頂きました。この条例制定に微力ながらも取り組めたことは、私にとっても大きな誇りです。

 八王子市の差別禁止条例は、正式には「障害のある人もない人も共に安心して暮らせる八王子づくり条例」といいます。市議会23年第4回定例会の最終日、12月15日(木曜)、本会議において全会一致で可決成立しました。この条例審査を付託された厚生委員会での審査は12月7日に行われ、およそ50人の障がい当事者、関係者の皆さんが傍聴に来られ、委員会室の傍聴席では間に合わず、隣室の委員会室に音声中継まで行ったほどです。条例制定を悲願とする方たちに見守られた審議となり、約1時間半の審査の結果、委員会として全会一致で原案通り可決すべきものと決定しました。

 12月15日の本会議も、本会議場の傍聴席がほぼ埋め尽くされる中で行われました(議会事務局によると約90人ということでした)。委員会審議の概要を委員長である私が報告したのですが、委員会審査の議事録を精読したところ、特に担当理事者であるの岡部副市長の発言に市の取り組み経過、思いが凝縮されていましたので、たっぷり引用させてもらいました(後述しています)。委員長報告の後、一人だけ討論(しかも賛成討論)がありましたが、その後、議長から異議の有無を問う発言に全議場から「(異議)なし」との発声があり、簡易採決ですが堂々、全会一致での採択となりました。感無量でした。

 

 

 

 振り返れば、全国で初めて障害者差別禁止条例を制定した千葉県の前知事、堂本さんのセミナーが行われたとき、大雨にもかかわらず会場を埋め尽くす大勢の当事者の皆さんが集ったこと、2年間にわたる毎月1回の夜間の勉強会に大変な思いで集ってくる皆さんの姿、そうした場面場面に条例制定にかける熱意を感じさせられました。また、市の担当部署(障害者福祉課)も庁内稟議という大変高いハードルに取り組み、いくつもの課題を乗り越え、採決の日を迎えたことはこの目で見てきました。市の担当者にも高い評価を惜しみません。

 この23年第4回定例会を持って引退した黒須市長にしても、引退の花道を飾る条例制定であり、本人も「素晴らしい置きみやげになったのでは」と語っていました。石森市長に代わり、条例制定の市民周知のためのパネルディスカッションを市長が出席する形で開催したり、「みんなちがってみんないい~障害のある人を理解するためのガイドブック」を制作するなど、条例の精神を発展・継承する取り組みが引き継がれています。

 しかし、この条例が本当に生きた条例になるか、それとも形だけの条例になってしまうのか、まだこれからが勝負です。市民全般への周知はまだまだこれからです。また、障がい当事者から条例制定を求める請願が上程された際、市議会始まって以来の手話通訳、OHPを使った要約筆記が入りました(写真。条例制定の審議の際も同様)が、障がい者施策に直接関連しない議案の場合、市議会審議には通常、手話通訳も要約筆記も入っていない現状があります。

 まだ始まりの始まりです。年を取れば誰でも筋力や聴力、視力が衰えますが、これから日本は経験したことのない超高齢化時代に入っていきます。障害のある人もない人も、誰にとってもやさしい街づくりに、大きな力となる条例に発展していけるよう、私も私なりに、しっかり取り組んでまいります。

 

 

 

 

 なお、同条例を採決した23年12月15日の本会議において、採決の直前、委員会審査に関する委員長報告で私が紹介した岡部副市長の答弁(趣旨)の件(くだり)を以下に掲載しておきます。岡部副市長も条例制定に多大な役割を果たした一人です。大変重要な発言と思いますので、敢えて残しておきます。

●決意を問われての答弁=「この条例の中には、さまざま行政に向けての課題もあるが、これらの課題は当然のテーマと受けとめている。この条例ができたことで、今まで積み上げてきた施策を大幅にジャンプアップすることは当座考えていない。現在の障害者計画、障害福祉計画の策定に当たっては障害者自身も入ってもらい、目指すべき市施策の方向はしっかり定めており、まずその実現に全力を傾けたい。新条例の意味するところは、そうした施策を進めるに当たって、不都合のある差別が現存する、そういった差別を一つ一つ解決していく、そうした道筋に役立つための条例と受けとめている。本会議で申し上げたとおり、障害者の皆様が受ける障壁には3つの壁がある。物理的な壁、制度的な壁、そして我々の心の中にある壁だ。3つのうちの物理的な壁、制度の壁は、かなり克服されつつあるが、残る心の壁は、私も含めて市民の中に現存する部分がある。障害者に対する合理的配慮をしていただく中で、一つ一つ克服していただく。我々も一つ一つ行政の立場で克服していくということを、ここで決意させていただきたいと思っている」との答弁がありました。

●条例制定で苦労した点を問われての答弁=「一番苦労したのは障害者福祉課長であり、私は道筋だけ強要してきた立場。苦労話を披露することもないが、この条例が八王子市の行政にとって受け取りがたい部分があるとすれば、それをどう克服して条例化するのかという意味で、むしろ内部調整が、私の最大の課題だった。これはやむを得ないこと思っている。と言うのは、八王子市役所そのものが障害者理解について、まだまだ克服すべき壁をみずから持っているから。私自身、都庁で十四、五年ほど障害者行政に携わってきたが、未だに私の心の中に障壁は残っていると思う。そういった経験を持たない私どもの仲間が、この条例案にさまざま心配ごとを抱えたことは、これは率直にそのとおりだった。これをまとめ上げたことについて、逆に私は、市役所の力量というか、思いというものが、これだけあったんだという意味で、逆に発見させてもらったし、誇りに思っている。私ども職員はこれを前提に、みずからの障害者観を克服していく、障壁を一つ一つ取り除いていく作業をしなくてはならない。私も、その先頭に立って職員とともに頑張っていきたいと思っている」。          (了)

 

 

 

■ 学校耐震化の推進 (22年補正、24年度予算)


 学校耐震化の早期完了に向けて、市の積極対応を促す中、平成22年12月補正で校舎8校の耐震工事費を確保でき、さらに23年第1回定例会の補正で校舎7校、体育館4校分の耐震化予算を確保できました。

 学校耐震化は、市議会公明党としても会派を挙げて積極的に取り組んできた超重要行政課題の一つです。市教委は当初、完了年度を44年度としていましたが、あらゆる場面で会派議員が指摘してきたのに応じ、29年度、そして24年度へと2段階で20年も短縮する方針を示していました。

 しかし、平成21年夏の政権交代に伴い、一時的にせよ大幅に国の予算が削られ(1/3までカット)、全国自治体は22年度予算編成で財源確保に大混乱しました。これを受けて、市教委は当初は校舎と体育館とも24年度完了としていたものを、体育館は27年度までかかることを示唆するようになっていました。

 しかし、これはそう簡単に看過できない問題です。中国四川省、チリ、ハイチと近年発生した世界の大地震では学校や公共施設が倒壊し、その人的被害は壮絶なものでした。あのような痛ましい被害を学校倒壊で絶対にだしてはなりません。

 22年度予算審査での総括質問、22年第3回定例会の一般質問で必死に訴えました。「国庫支出金が削られたことを言い訳にしてはいけない。市長も市議会も市民の生命と安全を守る責任がある」と訴え、「返す以上に借りない」という市債発行原則を堅持できなくなったとしても、市民の命を守るという点から、仁王立ちになって取り組むべき事業と訴えました。

 この時の質疑をしっかり受け止めてもらうことができ、2回連続での補正予算確保となりました。まだまだ、ねばり強く働きかけます。少しでも前倒し実施が出来るよう全力で取り組んでいきます。

 

※追加情報(2012年5月4日加筆)

 

 その後、状況に大きな進捗がありましたので、御報告します。

 全校の耐震化完了時期について、体育館は当初計画より2年も早まり、25年度中完了と変更になりました(校舎部分は24年度と従来から変わらず)。

 市議会24年第1回定例会で審議し、3月28日に可決・成立した24年度予算に、これら耐震化早期完了の予算措置が組み込まれたものです。

 市議会公明党として昨年11月、市長に24年度予算に関する要望書を提出した際にも、「3.11東日本大震災」後の首都直下型など大規模地震に備え、学校耐震化早期完了を最重点課題の第1位にプライオリティ(優先順位)を上げ、早急な対応を求めてきたものです。

 予算付けがされたからと安心せず、一日も早く、そしてきちんと耐震化が進むよう、今後もチェックを怠らずにいく考えです。

 

 

 

■ 新卒者向け合同就職説明会開催 (23年9月)


 平成22年10月1日現在における翌年新卒者の就職内定率が57.6%と発表されるなど、“超”の付く就職氷河期が到来したのを受け、学園都市ならではの就活サポートを22年第4回定例会の一般質問(同年12月2日)で提案しました。これが実現して翌年の23年9月27日、市内ホテルで初の合同就職説明会を開催することができました。

 この時の一般質問では、約1万9,000社からなる八王子産業界、それに23大学から毎年卒業する3万人規模の学生など若者の就職をマッチングさせるため、大学コンソーシアム八王子を主体とした市内での合同就職説明会を提案したものです。国で行っているドリームマッチの八王子版といった感じで、勝手に“夢おりマッチ”と命名して開催を求めたところ、非常に前向きな答弁が返ってきました。

 就職で苦悩している若者を見て、何でもしてあげたい気持ちでいっぱいです。夢と希望を持って社会人としての一歩を踏み出せるようサポートしたおいという思いで、一般質問で取りあげたのでした。

 この提案が具体化し、24年春の新卒予定者の就職活動をサポートするため、東京しごとセンター多摩、それに八王子市、大学コンソーシアム八王子による合同企業説明会が京王プラザホテル八王子で開催されたものです。会場を視察しましたが、担当者の会社説明に真剣に聞き入る学生の緊張感で、場内は独特の雰囲気に包まれていました(写真下)。

 市内で新卒予定者向けに本格的な説明会を開催するのは、今回が初めてととなります。約360人の学生が詰めかけ、一つの会社の説明を最大15人が受け、順繰りに回る仕組みです。企業側は今回、求人計画を持つ69社が参加希望を出してきましたが、会場の都合で24社に絞り込んでおり、求職者とのマッチングの機会を欲していることも浮き彫りになりました。

 私は23年3月2日、24年度当初予算案に対する会派代表質問で、引き続いてこうした新卒者向け就職サポート強化を訴えました。本市が学園都市を標榜するなら、学生をしっかりサポートすることも重要です。それが引いては地元企業の人材確保をも支援することになります。今後もしっかりと取り組んでまいります。

※参考:村松の一般質問(22年4定)への市民活動推進部長の答弁

 

「大学コンソーシアム八王子における大規模な合同就職説明会の開催ということでございます。23大学合同での就職説明会を行うことは、参加企業にとりましては、複数の大学の学生との面接が一度にできるというメリットがございますことから、多くの企業の参加が期待できるところでございます。また、学生にとりましても、今まで知り得なかったさまざまな企業情報を直接伺えるといったメリットがございます。そこで今後、大学コンソーシアムとして多くの中小企業が立地する本市の特性を生かした合同就職説明会の開催に向けまして、庁内関係所管や商工会議所等とも連携を図りながら取り組んでいきたいというふうに思っております」

 

 

 

■ 大震災被災地への学生ボラ派遣 (23年8月)


 23年第2回定例会の一般質問で提案した、「3.11東日本大震災」被災地への学生ボランティア派遣が実現しました。 市と大学コンソーシアム八王子の推進で“夏休み学生ボランティア団”が結成、1週間の日程で岩手県で活動したものです。なにかしたいけれどその術がない、と葛藤する学生も多いと思い、議会で提案したところスパッと具体化が決まりました。本市初の取り組みです。

 23年8月17日夜、釜石など岩手県の被災地に向けて出発しました。JR八王子駅南口で行われた壮行会に立ち会い(写真)、15大学総勢76人を乗せたバス2台を見送りました。ボランティア団は23日までの6泊7日(うち車中2泊)で、様々なボランティア活動を行ってきました。

 今回のボランティア団組成については、当初40人、最大で80人という規模で募集を行いましたが、最終的に15大学から165人と定員の倍以上の応募がありました。何度か人数を増やせないか、受入れ側事務局である岩手県立大学にも相談したそうですが、全国から約1,300人も学生ボランティアが集うことになり、定員拡大は難しく、結局抽選で人選するしかなかったと聞きました。(直前に4人キャンセルが出、76人の派遣となりました)。

 被災地への学生ボランティアの組織化を提案した者として、1週間という長期のボランティアにどれだけの学生が応募してくれるか心配もありましたが、予想外の積極反応に胸が熱くなった次第です。壮行会の中で、学生ボランティアの代表が「街頭募金などで支援を行ってきましたが、実際に現地でボランティアを行う機会をいただき感謝しています」と挨拶していたのが印象的でした。

 私もそれより前、7月2~3日、会派の議員とともに福島県南相馬市にドロ出しのボランティアでまいりましたが、未曾有の大災害に遭われた方たちの力に少しでもなれたことを誇りに思えましたし、継続してボランティア活動を行っていきたいと思いました。学生ボランティア派遣も今後、継続的に実施することができるよう、しっかり働きかけていく考えです。

※参考:23年第2回定例会の一般質問の要旨(23年6月9日)

 

【村松】もうすぐ夏休みシーズンがやってまいります。学園都市八王子ならではの取り組みとして、学生ボランティアをアシストする仕組みが急がれているというふうに思っております。夏休みに向けて、大学コンソーシアムを活用するなどし、災害学生ボランティアの組織化を行うなど、具体的な手を打っていただきたいと思いますが、担当理事者の田中副市長の所見をお伺いいたします。

【田中副市長】学生ボランティアをアシストする仕組みづくりについて、早急に取り組むべきとの御提案に対し、お答えをいたします。御承知のとおり、八王子市域には23の大学が集積し、11万人もの学生が在学をしております。このことは、本市が豊かな知的財産、人的財産を擁する比類なき学園都市のあかしでもあります。ボランティアとして、この学生力を東北地方を初めとした被災地で発揮していただくことは、被災地への支援のみならず、参加した学生にとってもかけがえのない貴重な体験となるはずです。御提案の趣旨を踏まえ、この長い夏休み期間中に、八王子の学生力をスムーズに被災地にお届けできますよう、早速、大学コンソーシアム八王子と力を合わせて取り組ませていただく所存です。

 

 

 

■ 市独自の放射線量測定 (23年6月から)


 福島第一原発事故による放射能汚染が深刻化し、放射線に対する不安の声を多く寄せられる中、市独自で放射線量を測定する必要性を議会で訴え、実現できました。

 東京都から簡易型シンチレーション式サーベイメーター“DoseRAE2 PRM-1200 ”2基の貸与を受け(写真右下)、23年6月29日より毎週水曜、市内12カ所の空間放射線量の観測、ホームページや広報紙での測定値公表が始まったもの。風評被害による不安増幅に対し、まずきちんと測定する必要性を訴え、カタチになりました。

私は、23年第2回定例会の初日、6月9日に一般質問に立ち、放射線量の独自測定を促しました。それまで市は、独自測定は不要(都の新宿区でのモニタリングポストに異常値が出ていないため)としてきましたが、登壇日の前日、都が放射線測定器を各市区町村に1~2基を貸与する方針を発表しました。市町村単独の測定に及ばないとする論拠が崩れました。一般質問では都の動きと絡めて方針転換を求め、独自測定・公表する方針が初めて示されました。(一般質問登壇の順はくじで決めます。くじ運が良く、一番早い段階で市に提案できました)

 東京都はその後、高仕様騎手である日立アロカメディカル社製“TCS-172B”(写真左)も貸与してくれることになり、23年11月2日から空間放射線量12カ所の測定に投入。それまで使ってきた“DoseRAE2 PRM-1200 ”の新たな活用方法として、市は11月8日~12月9日、教育施設など391施設(小中学校、幼稚園・保育園、学童保育所・児童館、保健施設、無認可幼稚園、子ども家庭支援センターなど、交通公園など)の測定を実施しました。さらに24年1月5日~2月1日、この測定器で、市所管の都市公園のうち地域を代表する194の公園の空間放射線量の測定が行われました。(23年12月議会の一般質問で公園の放射線量測定を提案した結果、具体化)

 24年春には、消費者庁から簡易型放射性物質検査機(スペクトロメーター)が貸与されることも決定し、早ければ24年5月頃に納入される見通しとなりました。物質そのものを正確に測定する機材は保有していませんでしたが、このスペクトロメーターを使うことで、保護者の方から強い要望が寄せられていた学校、保育園の給食食材の放射線量測定がやっと実現することになりました。

 

 

 

■ 国保の保険料納期を増加 (23年度から)


 八王子市国民健康保健事業の改善を図るため、納付回数を拡大するよう求め続け、ついに23年度より1回増やすことが出来ました。これまで、7月から翌年2月までの8回としていたものを7月から翌年3月までの9回に増やすことになったものです。

 全国1,820ある基礎自治体が運営し、“国民”という冠が乗っているのに、それぞれ保険料にも運営手法にもお置きな差異がのあるのが国民健康保険です。八王子市の場合、数年前のレポートで、全国で安い方から51番目の保険料と報告されましたが、その収納率は現年課税/滞納繰越分あわせて68%と、市税のそれ(94.5%)と比べて余りにも悪い状況があります。

 議員も国保ですし、自分の生活実感から、なぜ1年間の保険料を8カ月で払わないといけないのか、大変な疑問を感じてきました。納付回数は自治体によって決められます。8回というのは役所の勝手な都合ではないか、収納率を少しでも改善しようと本気で思うなら、払いやすいようにすべき、と訴え、とうとう23年度から9回払いにできました。

 “なんだ1回しか変わらないのか”と言われるかも知れませんが、小さくとも、大きな一歩になったのは間違いありません。あるべき納付回数は12回であり、それに向けてまだまだ粘り強く取り組んでまいります。

 

 

 

■ 新市民会館、オペラ仕様で竣工 (23年4月)


 23年4月、新市民会館が竣工しました。ネーミング・ライツでスポンサーにオリンパスが付いたため、“オリンパス・ホール”という名称になりました。15年4月の初当選の際、市議会公明党として初の政策打ち合わせを行った際、忘れもしません、会派として結束し、南口再開発事業を推進していくことでコンセンサスがまとまりました。一枚岩の団結で進めていく中、同プロジェクトの核となる施設として新市民会館の重要性に着目、設計音響のグレードについては、私個人としても「どうせ造るなら一流のものを!」と訴えてきました。これまでのような中途半端なまちづくりは止めるべき、と事あるごとに主張し、結果的に三多摩でも最高級のスペックを持つオペラ対応型ホールに仕上がっていったと確信しています。八王子に内外超一流のアーティストが集い、音楽や舞台芸術に人々が魅了されていく・・・文化・芸術都市に発展していくための最重要拠点として機能することが期待できます。(東北地方大震災の発生により、被災者支援のためのチャリティコンサートを企画するよう、学園都市文化ふれあい財団の評議員会で訴えました。3月30日付の活動レポート参照)

 

<<村松徹の関連質疑>>(16年11月16日総務企画委員会)

 (前部分省略)

 「今の市民会館自体もそうですけれども、新しい市民会館をつくるとなれば、例えば何十年という形で使う設備になると思うんです。やはり拙速な議論で意見集約するというよりも、どういう形で何十年という使用にたえられるものにしていったらいいのかということは、ある程度落ちついた審議というのも必要なんじゃないのかなと思います。

 また、八王子市内での公演に対応するというその観点だけじゃなくて、例えば多摩地域の中で不足している要件というんですかね。こういったホールに対して、例えばオペラをやるのであれば、この地域であれば一番近くてたしか笹塚のオペラハウス(注:正確にはオペラシティ)でしたっけ──かなんかから、以西というのはたしかなかったと思うんですけれども、広域である程度考えていただいて、その中で特色をどうやって出していくのかということもぜひ御検討いただきたいなと思います。

 私自身、やはり数十年という使用にたえる施設として、せっかく南口再開発の地域に移築するという案が出てきているわけですから、中途半端なものというのは本来であればやはり避けるべきではないのかなというふうに思っています。どうせ何十年という形でつくるのであれば、後顧の憂いを残さないような、もちろん行政のむだ遣いというのは徹底して省く市場原理を活用して、工費についても徹底した見直しというのは必要だとは思うんですけれども、極力、やはり数十年というある程度の中長期的な見通しに立った施設として検討していただきたいと要望させていただきます」。

 

 

 

■ 八王子駅南口にライブステージ (22年11月)


 学園都市・八王子の特徴として、若者が非常に多い街ということが挙げられると思います。しかし、学生が日常的にそれほど目だった存在でないことも事実。若者の活動する“場”、舞台が街中にないことを取りあげ、JR八王子駅南口再開発を進める際、デッキ上に路上ライブのステージを整備するように一般質問(16年第4回定例会)で提案しました。市長から整備してみたいと即答があり、その進捗を見守ってきました。実現に向けて着々と計画が進み、22年11月の街開きと合わせて“とちのきデッキ”に格好良いステージが出来上がりました。記念式典でもテープカットや吹奏楽演奏のステージに活用されました。学生など若い人に活用してもらって賑わいを創出してもらいたいですし、多くのミュージシャンやパフォーマーが羽ばたいていくことも期待しています。

 (ビッグバンドが「ムーンライトセレネード」を演奏)

 

 

 

 

 

■ 南大沢事務所で日曜も戸籍受領 (21年10月)


 京王南大沢駅近くにある八王子市南大沢事務所(写真)で、日曜開庁時も戸籍を取り扱うことになりました。市は、南大沢事務所の日曜業務について、21年10月4日(日曜)から戸籍関連の各種届出(出産、婚姻・離婚、死亡など)受領を加えました19年度決算審査特別委員会の総括質疑(20年9月30日)で提案したことが実現しました。

 南大沢事務所は拠点事務所ではありませんが、その利用者の多さから19年7月、日曜開庁をスタートし、住民票の写しの交付などを行うようになりました。日曜開庁をしている事務所には、JR八王子駅北口の駅前事務所がありますが、南大沢事務所とは日曜業務の内容に違いがあります。それが戸籍の受領です(別項参照)。

 19年度決算特委の総括質疑では、「南大沢事務所でも駅前事務所と同様、日曜業務に戸籍の預かりを加えることができないか検討してもらいたい」と提案し、市民部長から「駅前事務所と同様に、お尋ねの件についても検討を進めていく」との前向きな答弁がありました。それから1年を経て、今回の業務拡充の実現となりました。

 なお、南大沢事務所の日曜開庁時間は8時30分~17時となります。

 

 

 

■ 粗大ごみ収集に1ポイント券 (21年7月)


 市民の皆様からの多くの、そして強い改善要望を受け、粗大ごみのポイントシールの細分化が実現しました。従来の500円券に加え、100円券(写真下)が21年7月から発行。細めに粗大ごみを出せると、市民の皆さんから好評です。

 八王子市では粗大ごみの出し方が変り、19年10月からポイントシール制になりました。粗大ごみ受け付けセンターへの申し込みの後、ポイントシールを貼って出すよう変更になったのですが、5ポイント券(500円)1種類だけの発行にとどめたことで、市民の皆さんから多くの改善要望が寄せられました。

 つまり、「500円分になるまで粗大ごみがまとまらないと片づけられない。1ポイント券など、小額のシールを作ってもらえないか」というものです。こうした声を受け、ポイントシール制のスタート直後から見直しを求めて担当者と相談してきましたが、ゴミ排出意識が弱まるなどの理由で、なかなか具体的な動きになりませんでした。

 その後、公式非公式な要望も重なってきていた時期だったのかもしれませんが、私が平成19年度決算審査特別委員会の総括質疑(20年9月30日)に臨んだ際、この問題を取り上げたところ、以下のようなやりとりになりました。(「質疑ディテール」の項を参照)

◎村松=「(ポイントシール制導入で)実際に減量効果もあり、そしてまた市民サービスの向上にもつながったという、それは確かに評価をさせていただきますが、ポイントシールは500円、5ポイント1種類しかないということで、この制度に改まった時点でかなり市民の方から改善を求める声が寄せられていたのも現実です。5ポイント券だけでなくて、もっと細分化したポイントシールの発行ができないのかどうか、やはりこれは大きな課題だと思うんですが、所管のお考えをお伺いします」

◎清掃事業担当部長=「処理券の細分化でございますが、昨年(19年)10月にスタートしましてちょうど1年たちますので、市民の声、処理券の販売業者、また収集業者の意見を集約しまして、細分化につきましては前向きに検討していきたいと考えております」

◎村松=「余り時間をかけないように、ぜひ御検討の方をよろしくお願いします」

 このやりとりから半年ほど経ち、新年度予算案に1ポイント券の発行が盛り込まれ、ほっと安堵の胸を下ろしたところです。これからも、もっともっと皆さんの声を市政に届けます。

 

 

 

■ 小学校英語にALTを前倒し導入 (21年度)


 平成23年度からの小学校の英語授業必修化に伴い、三多摩の中で本市は遅れていると報道がなされたALT(外国人指導助手)導入を提案、21年度から各校5~6年生を対象に1クラス10時間導入することが実現できました。20年第3回定例会の一般質問(9月11日登壇)で取りあげ、全70校の3割程度しかALTを導入していないことを確認し、グローバル化進展の中でコミュニケーション・ツールとして英語力を強化する必要性、新学習指導要領に基づく英語授業の内容充実のため、ALTの全校導入を訴えたものです。市内のある小学校を訪問し、ALTの入った英語授業を見学しました(22年秋)。こんなに元気で明るい授業があるのかと、率直に言って驚きました。

 

 未来の国際人よ、翔け!

 

 

 

■ 第4期介護保険料、11所得区分に (21年度)


介護保険料の所得段階の細分化が実現しました。第3期(18~20年度)は8区分であったものが、第4期(21~23年度)は11区分となって3つ増え、より所得を反映した形に改まりました。第4期計画最低委員会を何度も傍聴させてもらいながら、高齢者の方や介護施設の方から話を伺って介護保険制度を検証しつつ、一般質問や委員会質疑で提案してきたものが、第4期事業計画の策定の中で反映されました。

 介護保険制度が始まって以来、負担やサービスに関する様々なご意見を伺います。年金生活をされている、そして65歳以上で介護サービスを受けることができる第1号被保険者の市民から、保険料の負担軽減に対する多くの要望をいただいてきました。介護保険料は所得に応じて変ってきますが、基本的には6区分のところ、八王子市は8区分とし、よりきめの細かい負担にしています。

 しかし、私に寄せられた声の中に、第6段階(合計所得金額が200~400万円)に対する見直しを求めるご意見がありました。「大方の年金生活者は世帯で所得が200万ちょっと。400万円も所得のある高齢者世帯と同じ保険料とはおかしい」というもの。実際、4期計画策定委員会で検討のための資料として提出されたアンケート調査でも、多くの1号被保険者からは保険料の負担に対する不満の多さが浮き彫りになっていました。

 八王子市の第3期介護保険料は、基準額(第4段階)が5万1,700円で、多摩26市中上から8番目であり、19年度決算特委の総括質疑(20年9月30日)で26市のなかで平均程度まで安くすることを求め、20年第4回定例会の一般質問(20年12月1日)では所得段階の細分化を、できれば50万円ピッチ、それが困難でも第6段階の分割などを提案しました。

 所得段階をどう分けるかは、実は市の裁量に委ねられています。担当所管も真剣に負担軽減に取り組んでくれた結果、21年度をもって8から12へと多段階化が実現しました。4期保険料は合計所得金額1,000万円以上の方などを除いて大方が安くなり、基準額では第3期の年額5万1,700円が5万300円と1,400円の減額になりました。

 さらに、第3期事業で使われなかった不用額が基金に13億円程度貯まったため、これを4期保険料の軽減に充てることも決定。21、22年度は保険料の軽減措置が実施されることになりました。

 

 

 

■ 学園都市づくりの新組織発足 (21年3月)


 八王子市の特徴を尋ねたら、何をイメージするでしょうか。豊かな自然、高尾山、ニュータウンなどが挙げられるでしょうが、大学の多い“学園都市”をイメージする人も多いと思います。実際、市域に23もの大学が立地し、11万人もの学生が通ってくる本市は、他地域から羨望の眼差しで見られています。

 しかし、大学があれば、自動的に学園都市が形成されるわけではありません。これまで様々な学園都市づくりの取り組みがされてきましたが、真の学園都市に発展するには、もっと統合的に、もっとダイナミックに推進する母体的組織が必要不可欠、と一般質問などで何度も取りあげてきました。

 そうした指摘も反映され、担当所管が関係方面と協議を重ね、準備作業を進めてきた結果、2009年3月28日、大学コンソーシアム八王子が立ち上がりました。23大学すべてが参加したほか、学生委員会、商工会議所、学園都市文化ふれあい財団、大学セミナーハウスなどが参画し、大学間連携だけでなく、大学と地域(行政、小中高等学校、企業、商店街、市民など)との連携事業も具体的に進めていくことになりました。

 私は2008年3月、京都、大阪、兵庫と3つの大学コンソーシアムを視察しましたが、学生の自主的な運動の盛り上がり、サテライト・キャンパスや会議室など充実した施設、重厚な体制の事務局などを見る限り、大学コンソーシアム京都が圧倒的スケールを誇っていると感じました。

 しかし、大学コンソーシアム八王子が同じ方向を目指す必要はないと思います。本格的な学園都市を形成することで、そのプロセスも含め、大学や学生がこの地で受けられる恩恵を最大限引き出し、あわせて地元も素晴らしいシナジー効果、コラボレーション成果を享受する、そういう八王子らしい大学コンソーシアムとなることを期待しています。

 (写真:設立総会の会場前に並べられた23大学の旗)

 

 

 

■ 八王子国際協会の立ち上げ (20年7月)


 私が選挙公約に掲げた重点政策の一つ、それが国際化の推進です。市議会議員初当選後の最初の一般質問を手始めに、多文化共生、国際交流にまつわる様々な施策実施を提案してきました。国際化を推進する上で、市民主体の運動の母体として「国際交流協会」は必要不可欠であり、数度にわたって立ち上げを訴えてきました。

 こうした主張が形になり、八王子市の多文化共生、国際化施策を推進する組織として「八王子国際協会」が2008年7月20日、発足しました。愛称は「地球市民プラザ八王子」、いい呼び名だと思います。八王子駅北口の東急スクウェアビル11階を中心拠点として、活動開始しました。

 2004年春の国際交流コーナー開設、2006年秋の海外友好都市提携など、この5年ほどの間、本市の国際化施策は急速に進展しました。しかし、こういう活動の本格化にあわせ、様々な角度からの活動をトータルにコーディネートする母体的組織、参加者もごく一部の人でなく一般市民まで広げていく受け皿的組織が必要不可欠という思いで、提案してきたものです。

 限られた海外体験ですが、私は、様々な文化的背景を背負う人々が、お互いの思想や立場を尊重し、交流を進めていく中、自分の郷土に対する新たな発見をしたり、地球的規模での人間主義が育まれ、引いては世界平和へとつながっていくとの確信を持っています。

 八王子国際協会の発足に心から期待していますし、市議会議員として今後もしっかり八王子の国際化施策を推進すべく、力を尽くしていく考えです。

 

 

 

■ 小中学校PC教室の老朽端末更新 (20年度)


 市内小中学校のパソコン教室から、古いパソコンがなくなりました。平成13年度以前に導入されたパソコン約2,000台(小中71校)の機種更新が、20年10月末までに完了したものです。

 学校のパソコン教室は、リース調達のパソコンの約8割がリース契約期限切れの老朽端末でした。ウィンドウズ98搭載機種もあったほどです。19年第3回定例会で、この状況のままではIT教育が成立しないことを指摘するとともに、日進月歩で進化していくパソコンのような設備の整備こそ、一定期間で消却を終え、新機種に入れ替えるリース方式を活用し、経費平準化の利点を追求すべき、と訴えました。

 こうした指摘を受け、市教委は20年度予算で老朽パソコン一斉更新を決断し、20年度予算を確保したものです。リース期間は6年で、期限が切れた段階で、新機種に更新することも明確化しました(OSはウィンドウズVISTAではなくXPです)。

 今回、平成14年度に導入したパソコン(ウィンドウズXP搭載機種)は更新対象になりませんでしたが、メモリー増設などのアップグレードされました。インターネット回線もリニューアルされ、接続速度が見違えるほど早くなり、早い学校現場からも喜びの声が寄せられています。

 (写真上:機種更新を終えた由井第3小学校のパソコン教室)

 

 

■ 学校安全ボラに夏用ベスト支給 (20年度)


 朝の通学時、信号機や横断歩道付近で子供たちを見守る“旗当番”のお母さん方を目にします。学校安全ボランティアには緑色蛍光色のウィンドブレーカーを支給していましたが、夏場といっても6月初旬から暑くなり、とても着用できるものではありません。お母さん達からの要望もあり、こうした状況を改善するため、平成19年10月に行われた前年度決算審査の文教経済分科会でベスト・タイプなど夏物の整備を提案しました。市教委も積極的に対応し、20年度予算から新規に整備をスタート。デザインも早々と決まり、小中学校合計で初年度1,170着を支給し、21年度予算でも同数のベストを支給することができました。その程度ではまだまだ行き渡らない実態もあり、一通り行き渡るまで、重ねて要望していきます。

 

 

 

■ 多重債務の相談体制を構築 (19年12月)


 19年第3回定例会の一般質問で、多重債務者向け相談業務の強化を訴えたところ、市の「暮らしの安全安心課」を窓口とした相談体制が整備されました。(写真右は、今回制作された多重債務相談先を周知するミニリーフです)

 消費者金融の利用者は、少なく見積もっても全国で約1,400万人。うち借り入れ件数が5件以上の「多重債務者」は約230万人と推定されています。多重債務に陥った原因には遊興、債務支払いより、生活苦の方が多く挙げられますが、相談窓口にたどり着く人は全体の2割程度。しかし、早い段階で専門家に相談すれば、深刻な事態に陥ることはほとんどないと言われ、相談窓口の整備が急がれていました。

 八王子市の場合、無料法律相談には金融がらみで年間600件以上の相談が寄せられます。しかし、これを持って多重債務対策が十分なはずがありません。明確に市として多重債務問題を扱う窓口を設け、市民に公表し、そして具体的解決に繋げるための弁護士との連絡体制整備、さらに税滞納者が多重債務で苦しんでいる場合があることから、庁内横通しの連絡体制構築、などを一般質問で提案しました。

 この提案に対し、市の担当者は非常に積極的に取り組んでくれ、19年12月1日をもって「暮らしの安全安心課」(電話」620-7227)、消費者センター(電話:625-2621)で多重債務相談を扱うことを明確化し、広報で周知しました。ここでの相談は、必要に応じて職員が法テラス多摩などの弁護士と連携を取り、本人のいる前で面会のアポイントを取ることまでやります。

 また、暮らしの安全安心課を所管する生活安全部を中心に、多重債務で苦しんでいる人に積極的に手を差し伸べるため、税務部などの他部署と全庁的な連絡体制も構築されました。さらに、本庁舎、各事務所などに「多重債務は解決できます!」というポスター(写真下)を掲示、深刻な事態に至らないうちに多重債務を解決する手だてがあることを市民にアピールするようになりました。

 多重債務で悩む市民の方に、実質的な助けの力となれるよう、今回構築された相談体制の実効性を見守っていきたいと思います。

 

 

 

■ 高金利地方債の借換が可能に (19年度から)


 地方自治体の財政運営上、大きな問題だった、政府系資金の地方債借換に風穴が空きました。19年度政府予算を巡る財務、総務両省の大臣折衝(18年12月18日)の結果、高利率債の繰上償還を「補償金なし」で容認する臨時措置が決定しました。澤雄二・参議院議員に八王子市の実情を訴え、総務委員会(同12月5日)で提案してもらったものが、実を結んだ格好です。

 全国の自治体は共通して、地方債のうち政府系資金分には高利率が多く残っています。私は前期の2年間、総務企画委員会に所属し、一般会計の地方債残高をチェックしてきましたが、後期2年の都市建設委員会での活動中、下水道特別会計の借金残高(現債高と言います)が余りにも高金利なものが多いことに愕然としました。

 低利資金への借り換えを困難にさせていたのは、将来支払う金利総額に匹敵すると言えるほどの「補償金」が、繰上償還に求められているためです。その利子払いの過大さ、借換規制の不条理さなど、国の総務委員会で地方分権の審議に取り組んでいる澤氏に執拗かつ必死に訴え、取り組んでもらったところ、全国の自治体に大きく影響する政策が実現しました。

 19年度から3年間の臨時措置ながら、補償金なしに繰上償還できるのは、財政融資資金3.3兆円(対象自治体に条件あり)、郵政公社の簡保資金0.5兆円、公営企業金融公庫資金1.2兆円で、償還額は最大で5兆円。下水道特別会計の収支改善に直接的に影響する臨時措置でもあり、支払い金利の減少により、下水道料金の軽減も期待できるようになります。ネットワーク政党・公明党ならではの「政策がカタチに」なりました。

  (写真上:舘ヶ丘地域の下水道工事現場)

 

 

 

■ 団塊世代向け相談窓口の開設 (19年1月)


 昭和22~24年生まれの第1次ベビー・ブーマー、いわゆる「団塊世代」の市民の大量定年退職が19年度から本格化します。地域に有為な人材が戻ってくるわけで、そのパワーをどう活用できるのか、するのか、それこそ自治体の自主裁量、手腕の発揮どころです。

 私は18年12月1日、18年第4回定例会の一般質問において、団塊の世代向けに地域貢献運動や市民活動への参加、シルバー人材センターなどを活用した就労問題などの相談に応じられる、総合的な相談窓口の開設を訴えました。この提案も影響し、19年1月4日、本庁舎の市民活動推進部内に「団塊世代等地域参加支援デスク」が開設されました。

 対応分野は①町会・自治会活動②NPO活動③ボランティア活動④健康⑤仕事⑥生涯学習⑦趣味・スポーツ・観光ーーなどです。専用電話「おかえり八王子」(042-627-0802)も開設されました。

 また、同じ一般質問、「広報はちおうじ」を使い「団塊世代」のセカンドライフに関連した市の施策を紹介する特集記事の掲載を検討すべきと訴えたところ、19年1月1日号で「地域へ飛び出せ『団塊世代』」との特集記事が出されました。

 シニア世代の市民の活躍の場づくりは、団塊世代の退職時代を契機に重要さが増してきましたが、まだまだ始まったばかりです。今後、私が提唱してきた「シニア頭脳バンク」の設置など、関連施策充実に向けて取り組んでいきます。

 

 

 

■ 海外3市との交流協定が実現 (18年度)


 初議会の15年第2回定例会で提案して以来、一般質問を3回実施するなど、海外友好都市(姉妹都市)提携について取り上げてきた結果、平成18年の市制施行90周年記念事業に位置づけられ、18年9月23日に中国の泰安市と(写真上)、11月の1日に台湾の高雄市、7日の韓国の始興市との友好交流協定に調印となりました。

 これまで八王子の姉妹都市は、千人同心のゆかりで日光市、苫小牧市の2市だけでした。当選後の初議会での一般質問では、「海外の先進自治体、学園都市との交流により、八王子の潜在的な力を発揮できる」と、海外姉妹都市提携など海外学園都市と交流を図る必要性を訴えました。市制90周年記念事業として位置づけられる中、市議会に超党派議員による検討会が設置、私もその委員として、実現に向けて同検討会をリードしてきました。

 八王子にとっては、海外友好都市交流が始まり、第1回ガスパール・カサド国際チェロ・コンクールが開催された平成18年は、まさに「国際都市・八王子」元年となります。今後は、市民交流をしっかりと支え、チェロを通じてパイプができたフィレンツェ、そして米国の都市(私は最初からボストンを候補市に挙げています)など、欧米先進市とも交流の道筋を切りひらいていきます。

 

 

 

■ 携帯メールでの防犯・防災情報 (18年度)


 卑劣な犯罪が日常的に発生する中、市民の皆さんの身の備えとして、身近で起きている犯罪被害発生、不審者出没などの関連情報を共有することが必要不可欠と判断、15年第3回定例会において自治会・町会、学校などへの情報提供サービスの実施を提案しました。

 当時、私の担当地域において、一晩にして近隣8件が侵入窃盗に遭うなど、特定地域を狙った犯罪が連続発生しました。犯罪発生情報を口コミでしか入手できないという現実が、市民の防犯対策に大きな支障になっていることを訴えたものです。

 この提案を真摯に受け止めてくれ、16年4月、犯罪被害発生情報のFAX送信サービスがスタート。日時、場所、犯罪被害の内容など週単位で配信されるようになりました。

 さらに、16年第3回定例会の一般質問などで、機動力の高い携帯電話メールを使い、携帯電話に情報配信することの有効性を訴えました。若干時間がかかりましたが、18年4月に防犯メールの配信が始まりました。

 このメール配信については、およそ5,000人の市民が登録しており、緊急時の犯罪関連情報/不審者出没情報のほか、週単位でまとめた犯罪被害発生情報の提供を受けています。また、このメールサービスでは、震度4以上の災害が発生した場合、防災情報を流すことになっています。

 なお、携帯電話から登録するには、icho@gmpw.jp(すべて半角英数) に空メールを送って仮登録を行い、あとは送られてきたメールの指示どおりに操作するだけで簡単に登録できます。

 

 

 

■ 無料法律相談の全平日化実現 (18年度)


 法律専門家(弁護士)による八王子市の無料法律相談は、市で行っている各種相談の中でも、最も市民ニーズの多い相談業務です。委員会における質疑を通じ、その拡充を求めてきた結果、2段階で拡充できました。平成18年度からは平日全5日間の実施となり、さらに夜間相談も始まりました。

 市の無料法律相談は、15年度末まで週3日間(火水金)のみ行われてきました。その週3日間分(計24人枠)の予約を受け付ける毎週月曜日の朝9時30分、担当デスクには申し込み電話が殺到し、結局、その週では受け付けてもらえず、次週に回される市民も発生する状況がありました。

 私は15年10月の決算審査特別委員会で、ウィーク・デーの5日間、理想的には土日を含む週7日間に拡充すべきと提案しました。市側も拡充の必要性を認め、第1弾として16年度は1日増やすことにし(月曜日を新たにプラス)、週4日体制に拡充できました。

 ただ、週4日体制でも市民ニーズを完全に満足することはできません。16年第3回定例会の一般質問では時間外、休日を含めた相談日設定を検討するよう要望。17年10月の決算審査特別委員会の質疑では、夜間相談についても訴え、担当部長から「実施に向けて検討する」との答弁を得ました。

 その結果、18年度当初から新たに木曜日も実施日となり全平日の相談体制を構築、さらに火曜日は16:00~19:00の相談実施と、夜間しか時間をとれない市民にも対応できるようになりました。(18年度からは本庁舎だけでなく、南大沢事務所でも月1回・第3金曜日<13:30~16:30、本庁舎も同時並行で実施>に法律相談が行えるようになりました)

 私が日常的に受ける市民相談の中には、サギ/サギまがい行為の被害、会社経営/家計破綻など、法律専門家が間に入らなければ解決できない案件が多数あります。しかし、一般の人にとって弁護士は縁遠い存在でもあり、気軽に相談できる無料市民相談は、トラブル解決策として重要な役割を担っています。市の無料法律相談が拡充されたことで、いざという時の体制が一層盤石になりました。

 

 

 

■ 出産時の保育園途中入園実現 (18年度)


 全国的に少子化時代が到来していると言っても、八王子市は未だに保育園の待機児童問題が深刻です。

 保護者の妊娠・出産に伴い、保育園に入園していない上のお子さんの保育需要が発生した際、市内各園の待機者が多いこともあり、これまでは受け入れ不可能となっていました。私は深刻な状況を訴える市民相談を受け、18年度予算審査特別委員会(18年3月開催)の総括質疑において、出産を要件とする緊急かつ一時的な保育需要への対処を訴えました。

 これに対し、市の担当部署から非常に前向きな答弁が示され、速攻で話しが進み、18年度から産前産後5カ月間にわたり、途中入園(一時保育)受け入れが試行されました。18年4~12月の8カ月間で、既に12件の途中入園があったそうです。

 今後はさらに、本格実施に向けた取り組みを促すとともに、ニュータウン地域を保育園の新・増設そのものも推進していく考えです。

 

 

 

■ 駅前事務所で日曜の戸籍受領実現 (18年度)


 JR八王子駅北口のクリエートホール(写真)内にある八王子駅前事務所で、日曜開庁日なども戸籍の取り扱いができるようになりました。婚姻届をはじめ、戸籍に関わる各種届け出(出産、離婚、死亡など)の受領日時および時間が18年4月16日をもって拡充されたものです。17年第2回定例会の一般質問(17年6月14日)で提案したことが、実現しました。

 この時の一般質問では、「婚姻届けの時間外受領」について質問しました。夜遅く市役所を退出する際、裏の守衛室前の出入り口を使いますが、婚姻届けを出す若いカップルを見かける機会がかなりあります。私が結婚した時も、開庁時間に間に合わず、守衛室に婚姻届けを出しましたが、狭く、雑然とした裏口周辺で、婚姻届けに記入しているカップルを見て、改善の必要性を感じ、一般質問に取り上げました。

 いくつかのデータを示します。16年度における八王子市全体の婚姻届け出は2,676件。このうち時間外(すなわち休日および夜間)に守衛室で受領した件数は957件で、本庁舎昼間の窓口(949件)、出先の各事務所窓口(770件)の受領件数を抜き、最多でした。婚姻届けは、日にちへのこだわりもありますし、通常は2人で出しますから、土日や夜間の提出が多くて不思議はありません。

 さらに踏み込み、守衛室で受領した分の日にち内訳を見ると、16年度の場合は約8割が土・日・祝祭日の届け出でした。休日の届け出であれば、駅前事務所も日曜日は開いているわけですから対応可能なはずですが、実際は戸籍の届け出を受領していませんでした。同事務所は交通利便が良く、雰囲気は本庁舎の守衛室前とは段違いであり、ここでも受領できるよう改善を要望し、それが18年度から実現したものです。

 具体的には、4月16日以降、日曜開庁日、それに平日の業務延長時間帯(17:15~19:00)も戸籍の届け出の受領ができるようになりました。実は、今回の戸籍の受領時間拡大は、戸籍電算化に伴って可能になったものですが、これも市議会公明党の先輩議員が訴えて実現したものです。ちなみに、本庁舎守衛室の周辺スペースも、私の一般質問を受けて、多少、明るい雰囲気に改善されました。

 

 

 

■ 中学校のALT選定方式を改善 (18年度)


 17年度予算審査特別委員会(17年3月)の総括質疑で提案し、18年度より、中学校のALT(外国語指導助手)選定方式がプロポーザル方式に改革できました。

 本市では従来、中学校のALTの委託先を決める際、一般競争入札を行い、時間単価面だけを評価し、価格競争力で落札先を決めてきました。

 このことが、教育の質を低下させる要因になっているとの指摘が全国的に拡がる中、私は17年度予算特委でカリキュラムや内容、派遣会社がALTに対して行っている研修内容など、質の面を重点的に評価してALT派遣業者を選定する必要があると指摘。具体的に一般競争入札でなく、プレゼンテーションを行って審査する「プロポーザル方式」にすべきと訴え、18年度分のALT業者の選定作業をもって、選考方式がプロポーザル方式に改まりました。

 

 

 

■ 南大沢市営駐車場の無休化実現 (18年度)


 南大沢のフレスコ地下駐車場(南大沢図書館の下階)が平成19年1月より、年中無休に切り替わりました。

 同市営駐車場は従来、正月3ヶ日(1月1~3日)が休業日でした。しかし、南大沢駅周辺の商業施設は元日から初売りをしているところも多く、駐車場には入れない一般車両が同駅を遠巻きにして待機している状況がありました。

 駐車需要の多さを18年初めのニュータウン対策特別委員会で指摘し、年中無休化を提案したところ、市議会の18年第3回定例会で駐車場条例の改定案が上程され、審議の結果、成立しました。

 今後、南大沢駅周辺の商業施設を横通しで使用できる、共通駐車券の導入を目指し、真剣に取り組んでまいります。

 

 

 

 

 

 

■ みなみ野の小学校建設計画を復活 (17年度)


 みなみ野シティの区画整理事業には、当初から、中学校2校、小学校3校を整備する計画が盛り込まれておりました。3校目(みなみ野君田小学校)建設を巡っては、15年度予算として約8,000万円の実施設計費が計上され、着々と作業が進んでいましたが、15年第4回定例会におけるある提案を受け、学校建設費・用地取得費の大きさから設計作業を中断し、既存2校の増改築により対処するとの市教委の方針が、減額補正予算案の上程という形で示されました。

 私はみなみ野シティに在住する議員として、責任の重さを感じつつ、多くの教育専門家などに意見を聞き、市教委の判断の妥当性を測った結果、承伏すべき提案でないと判断、会派内でも建設計画の復活に対するコンセンサスをまとめました。16年度予算委員会(16年3月)の総括質疑においては、既存2校増改築によるマンモス校化は明らかに教育環境の悪化を招くこと、また都市再生機構からも市教委の言うみなみ野地域の人口増カーブの下方修正に根拠のないことなどを指摘、教育長(当時)および市長を相手取って再考を促しました。

 こうしたやりとりの末、最終的に建設計画を復活させることができたものです。当初スケジュールより1年遅れながら、19年春の開校が実現しました。

 一方、同校建設に際しては、私にとって記念すべき最初の一般質問(15年6月)において、地域住民も活用できる地域開放校として設計するよう要望し、この提案を受けた形でのレイアウトで設計作業が進められてきました。一度頓挫した建設計画が復活した後も、地域開放校として設計する考えは生きており、学校の安全に配慮し、普通教室とシャッターで仕切った位置に地域住民も使える120席のランチルームを配置し、いよいよ2007年4月に開校します。

(写真は建設中のみなみ野君田小学校<2006年1月5日撮影>)

 

 

 

■ 緊急ヘリ離着陸場を増配備 (17年度13カ所)


 東京消防庁・航空隊のヘリコプター離着陸場所を17年度、市内に新しく13カ所整備することができました。立川の国立救急センターまで、わずか5分程度で市内から搬送できる消防ヘリの機動力が、さらに高まることになりました。

 それまで、大震災発生などの救急活動の際、東京消防庁のヘリコプターが離着陸できる場所は市内に9カ所しかなく、地域的偏在という問題がありました。それ以外の場所ではホバリングでしか救援活動ができず、こうした厳しい状況を消防署幹部から伺い、17年3月の17年度予算審査特別委員会の総括質疑で提案しました。

 17年度に消防庁および市防災課が現地調査に取り組んでくれ、最終的には新規13カ所を追加整備することができました。新たにヘリコプター離着陸場に指定された、みなみ野小学校では、八王子消防署、八王子市によるヘリコプター救急搬送訓練が17年10月24日、同校の校庭で行われました(写真)

 

 

 

■ 確定申告の日曜受付を拡充 (17年度から)


 市役所本庁舎における確定申告の日曜日受付日数を増やす必要性を訴え、17年度から2日増やすことができました。

 17年度予算等審査特別委員会(17年3月)の総括質疑において、市民の皆さんが確定申告を行いやすいよう、本庁舎での日曜日受付日数を拡充するよう提案しました。これに対し、市側も前向きに対応してくれ、従来2月の日曜2日間のみを開庁して対応していたものを、17年度確定申告分から3月の日曜日(2日間)も受け付けることになりました。

 具体的に17年度の例を示すと、18年2月の2日曜日(19、26日)に加え、3月の5日、12日の各日曜日も市役所で確定申告できるように改善できたものです。これにより、日曜日における市税・都税申告/確定申告の件数は、16年度(2日間)181件に対し、17年度(4日間)379件と倍以上の受付実績となりました。

 ちなみに、18年度についても、八王子市は19年2月後半、3月前半と各2回、日曜日の受付を実施することを決定しています。

 

 

 

■ 防犯パト団体への資機材貸与 (17年度から)


 防犯意識の高まりとともに、自治会、町会、PTAの方などを中心に、みずから子供たちなどの見守りをしようとする動きが勢いを増し、市内各所で自主的なパトロール活動が活発化しています。しかし、こうした運動に対し、市の補助が一切なく、すべて自己負担で行われているのが現状でした。

 自主防災組織の場合、構成世帯数に応じて様々な防災備品が貸与されていることを引き合いに出し、16年第3回定例会の一般質問において、パトロール活動団体にも必要備品を無償供与すべきと訴えたところ、17年度から小型拡声器、反射帯ベストなどの無償貸与が実現しました。

 

さらに、17年度予算審査特別委員会における質疑(17年3月開催)の中で、パトロール車両の屋根に搭載するマグネット方式の青色回転灯(ブルーのパトランプ)についても貸与品目に加えるよう要望、17年度からパトロール団体に無償供与されるようになりました。青色回転灯は多大な犯罪抑止効果あり、その上載は、所轄警察署の許可を必要としますが、既に10団体ほどのパトロール活動団体が市から貸与を受け、地域内を見回ってくれています。

 

 

 

■ 防犯パト団体向け研修会開催 (17年度から)


 子どもを狙った悲惨な事件が全国で頻発、市民自らが立ち上がり、防犯パトロール運動が市内各地で本格化する中、16年第3回定例会の一般質問において、防犯パトロール団体向けの講習会を実施するよう求め、17年度から実施されるようになりました。NPO法人ガーディアン・エンジェルスを主体に警察、消防による複数日での講習会が「地域防犯リーダー養成講習会」の名で実施されています。

 一般質問に取り上げるに至ったのは、そもそも地域の方からの要望がきっかけでした。「防犯パトロール運動の必要性は分かるが、いざ事件の現場に出くわした場合、どう対処するのか。初期動作など、専門家に教えてもらいたい。実際に平日昼間にパトロールしているのは高齢者か女性であり、ただ任せっきりというのは、納得できない」という意見でした。

 そこで町会・自治会、PTAなどの自主的な防犯パトロール団体向けとして、専門家を講師に招き、基本動作やパトロールのノウハウを身につけることができる研修会を設けるべき、と一般質問で提案したものです。これが地域防犯リーダー養成講習会として開催される運びとなりました。

 17年度は100人の定員で募集を行い、9~10月に半日講習を6回開催し、89人の方が修了証の交付を受けました。18年度も10~11月、全日2日間で講習会を実施したところ、72人が受講、64人が修了証を交付されました。

 防犯対策には、これで良しと言える終着点はありません。ボランティア精神で取り組んで頂いている市民の皆様のお考えを尊重しつつ、「共助」の素晴らしいケースとなるこうした地域パトロール運動をしっかりサポートしていく所存です。

 

 

 

■ 国際交流コーナーの開設 (16年4月)


 私にとって「国際交流の推進」は、選挙公約にも掲げた重要政策の一つです。当選後初の議会で一般質問に取り上げたほか、継続的に議会で提案してきました。その政策提言に応える形で、市が2004年4月に開設したのが国際交流コーナー(学園都市センター11階、写真右)です。

 私は2003年12月議会で、国際交流活動を統括的にコーディネートする八王子国際交流協会の創設を訴えるとともに、国際交流をメインの活動とする市民団体が日常的に活動できる拠点の提供(八王子駅前など交通の便の良い場所であることを条件とする)、市が発行している英文広報誌の市民団体への委託、海外姉妹/友好都市づくりの事務局機能の委譲などを提案しました。

 これに対して市は、国際交流協会を発足させる前段階として、市民団体をネットワーク化して連絡協議会を設置することを約し、具体的にその事務局のスペースを学園都市センター内に確保、国際交流コーナーとして開設したものです。

 同コーナーには事務局デスク、専用電話のほか、輪転機、椅子/トレニア、ホワイトボードなどを備えさせ、市民団体の輪番制でスタッフが常駐し、外国人の生活相談や問い合わせに応対できる体制を整えました。面積は30平方m、椅子も20脚程度しか並べられませんが、各種イベント、日本語および外国語学習などを行う常設会場を確保することができました。

 この国際交流コーナーは、八王子市の国際交流の拠点として、日を追うごとに活気付き、2005年6月議会で質問したところ、2004年度の利用者は延べ5,786人、うち外国人2,183人だったそうです。

 同議会では活動が勢いを増し、スペースがタイトになっているだけに、留学生会館の機能を併せ持った国際交流会館の整備、学園都市センター内にある会議室、ホールの優先割り当てなどの必要性を訴え、担当部署から前向きな答弁を得ました。また、17年第3回定例会での一般質問では、JICA(国際協力機構)八王子国際センターの18年4月閉鎖に関連し、この施設を本市の国際交流会館として、留学生会館の機能を併せ持つ形で存続させていく必要性を訴え、関係当局に対する本市の働きかけを求めました。

 

 

 

■ 公文書の不要な性別欄削除 (16年1月から)


 平成16年1月18日告示、同25日投票の八王子市長選挙から、投票所の入場整理券のスタイルが変わりました。性別欄がなくなったのです。15年第3回定例会で一般質問に取り上げた、性同一性障害対策に関連する提案が形になりました。

 15年7月10日、衆議院本会議で与党3党による議員立法「性同一性障害者の性別取り扱い特例法」が全会一致で可決し、成立しました。性同一性障害者に対し、戸籍上の性別変更を認める法律で、公布から1年後に施行されます。

 性同一性障害は、精神的にも肉体的にも正常な人が、自分はどの性に属しているかを明確に認知しながら、人格的には自分の性が別の性に属していると自覚している状態です。男性で3万人に1人、女性で10万人に1人の割合で存在するといわれます。

 これまで様々な問題を生んできましたが、性転換手術を受けた場合、家庭裁判所で戸籍上の名前の変更は認められても、性別記載の変更は認められませんでした。新法成立で大きな一歩を記したわけです。しかし、同法も戸籍上の性を変えるに5つの条件を課しており、新法適用を受けられる人は限定されていました。

 ただ、自治体にもできる支援策があり、それを議会で取り上げさせてもらいました。

 それは、各自治体の公明党議員が取り組んでいる、公文書からの不要な性別欄の排除という施策です。印鑑登録証明書/交付申請書、選挙の際の投票所への入場整理券、図書館利用の申請書などには性別欄は不要と判断され、実際に削除に踏み切った自治体も出始めています。

 性同一性障害に関する公明党のシンポジウムに参加し、マイノリティーの人たちの人権を尊重する中にこそ、人権に対する姿勢があらわれると主張、市にその対応を求め、今回その第1弾として選管による入場整理券からの性別欄削除という措置が執られたものです。

 その後、全市的に公文書の見直しが行われ、申請書など1,494件のうち性別欄記載のある公文書254件を精査した結果、削除可が139件、削除不可が115件との結論が出ました。削除可の書類のうち、総務部が所管する「規則」については16年8月1日付で59件(全体で79件)の性別欄が廃止され、各所管部署が預かる「要綱」60件についても順次削除され、最終的に約180種の公文書から性別欄が削除されました。

 

 

 

■ 「ピーポくんの家」の拡大


 全国的に子どもを狙った凶悪犯罪が多発する中、16年第3回定例会の一般質問、総務企画委員会の質疑などで、「ピーポくんの家」(子ども110番の家)の協力者拡大、いざという時の避難場所としての機能強化などを訴えました

 その頃、「ピーポくんの家」に対する子供たちへの周知が不十分(実際にはトイレを借りに訪ねるのがほとんど)、との全国的な問題が全国紙に報道されていました。

 高層の集合住宅の林立するニュータウン地域においては、戸建て住宅が少なく、「ピーポくんの家」協力世帯が少ない現状がありました。このため、マンションなどの管理組合に協力してもらい、管理事務所にもステッカーを貼ってもらうよう、市からPTA連合会などにお願いするよう、委員会などで取り組みを求めました。

 本市のPTA連合会、PTAの尽力により、集合住宅の管理事務所への「ピーポくんの家」協力も顕著に進んました。ちなみに、「ピーポくんの家」は、平成16年3月31日時点で3,537軒だったものが、18年9月20日現在で4,379軒に増加しています。

(写真はマンションの管理人室近くに張り出された「ピーポくんの家」ステッカー)